流界の小部屋
―二次創作の干渉領域―
ひ「なんだか『気まぐれ企画部屋』って感じになったこの小部屋だけど、今回も私達がお相手するよ」
り「よろしくー」
ひ「前回は私達の自己紹介だったけど、能力というか代理人の領域ってことで色々話しちゃったよね」
り「創作世界のなかでできる事のこと?」
ひ「まあ、あくまで龍獅の解釈で、人によって考え方が違うから、他人に押し付ける気は無いんだけどね」
り「無理矢理はよくないよー」
ひ「さて、今回は前回いくつか語った『作者の干渉領域』について語ってほしいって事で、皆さんのモニターとこの部屋を繋げてあるよ」
り「前に全部言っちゃったんじゃなかったの?」
ひ「まぁ、あれはあの時点でちゃんと説明として纏まっていた(?)分だけだったからね。今回は…本家の世界と二次世界の違いというか、二次創作の本家に対する影響についてってところかな」
り「元の世界に、二次の話が割り込んでるっていうことじゃないの?」
ひ「外側から見たら、たしかにそうなるかもしれないけどね。 でも実際はそんな簡単な説明じゃ矛盾がでてくるのよ」
り「そうなの?」
ひ「元の世界に、他の誰かが作った概念を割り込ませるっていう言い方だと、本家の世界まで影響してくるような言い方になっちゃうのよね。
でも、実際はそんな事は無くて、どんなに二次の方で話が作られても、本家の話そのものには全く影響なんてないでしょ?」
り「?」
ひ「だから…ある物語に、二次創作でAというオリジナルキャラを登場させたとしても、本家の物語では絶対にAは登場しない。 二次の世界でどんな大事件を起こしても、本家の世界には関係無い。 …ということかな」
り「……うん。 全く別の人が書いてるんだから、そうだよね」
ひ「だから、厳密に言うならば、二次創作の中の世界は、あくまで本家の世界をそのままコピーしてきたものであって、本家の物語には何の影響も無いってことだね」
り「パラレルワールドってこと?」
ひ「そう。 ……前回、『世界設定』の部分で言った『元の世界に似ている別物の世界』は、根底となる設定を捻じ曲げなくても、二次創作と言う時点でそうなるってことになるね。 アレは深く考えないで言ってたなぁ……」
り「結局龍獅の考えてる以上の事は、わたしたちは言えないもんねー」
ひ「……何気にきっつい言い回しの時があるよね、りんねって」
り「そう?」
ひ「つっこみ役が他にいないってのもあるかもしれないけど、もうちょっと可愛げのあるいい方できないかなぁ」
り「そんなこと言われてもー」
ひ「まぁ……いいか。 コホン
とりあえず、私達創作家の、創作世界においてできる事……私の言い方で言えば『世界創造(ワールドメーカー)』は、元となる作品とは似て非なる世界を創って、その中を自由に作り変えているだけで、元となる世界をいじる事が出来るのは、その世界を創った本人だけってことかな」
り「うん、分かった気がする」
ひ「また、複数の作品のキャラクターが混在する……全く違う世界にいるはずのキャラ同士が同じ世界にいる場合、ある程度調整が必要になってくるのね」
り「調整?」
ひ「そうね。例を上げるとすれば、戦うとすればどちらが強いかって話になるとする」
り「うん」
ひ「『元の世界では』最強クラスの力の持ち主だとしても、『別の世界の』最強クラスには及ばないと言う事もあるって事かな」
り「えーっと…よくわかんない」
ひ「だから、Aの世界の強さの最大値が10、Bの世界の強さの最大値が15とすると……Aの世界の最強の人間がBの世界に行くと最強じゃなくなるってこと。わかる?」
り「うーん……なんとか」
ひ「で、ここでまた作者の干渉領域の話になってくるわけだけど、人によってAとBのどちらの世界が『10』と『15』になると決めるかは変わってくるの。 ある人はAの世界の方が強いと思って書くだろうし、また別のひとはBの方が強い設定で書くかもしれない。 互角という設定も考えうるわね」
り「けっきょく、書く人次第?」
ひ「うん、そういうこと。 だから、そんなばあいでも『似て非なる別世界』ができちゃうわけで……書く人の独自の世界ってことになる」
り「えっと……簡単にいって?」
ひ「要するに、どんな場合でも、次元を越えるという話の場合、厳密には元となる世界へ飛ぶんじゃなくて、自分の中でコピーした『似て非なる別世界』へ飛んでるってこと。 ……簡単だった?」
り「なんとなくだけど、分かった気はするよー」
ひ「ふぅ。 まぁ極端な話、簡潔に結論を言うと、二次創作=パラレルワールドの創造ってことなんだけどね」
り「ふーん」
ひ「さて、とりあえず結論がでたことだし、今回の小部屋はここまで。 また次があるかどうかはわからないけど、よろしくね」
り「また会おうねー」
ひ「それじゃ、『代理人権限行使―接続終了(シャットダウン)』!」
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