「さぁ、いこう!! ぼくのぼうけんに!!」
 ドアをあければ、みちが、どこまでもつづいています。
 いっぽふみだすと、あたらしいくつが、きゅっとなりました。
 くりごはんのぼうけんは、いま、はじまったのです!!
 でも。
 でも、っておもった。
 くりごはんはふあんじゃなかったのかな、って。
 あたらしいせかいへふみだすことが、じつは、とってもふあんじゃなかったのかな、って。
 いままでのせかいからでていくことが、じつは、ちょっとさみしかったんじゃないかな、って。
 でも。
 そんななやみとはかんけいなく、そのときはやってくる。
 あした、わたしのぼうけんは、はじまります。
 


 「わかばのぼうけん」
 


 ジリリリリリリ。
出発の日なんだから、と少し早い目にセットしておいた目覚まし時計がけたたましい音をまき散らす。しばらくベットの中でゴソゴソとしていたが、眠い目をこすりながら何とかベットから起き上がり、ふらふらな足取りで机まで歩いてから、ゆっくりと目覚まし時計のスイッチを押す。
ふいに。
さっきまで部屋を満たしていた音が消え、部屋が静けさに包まれる。でもその静けさはただのそれではない。その内側のどこかにほんの少しの騒がしさを含んだ、何だかお祭りの跡みたいな雰囲気。
「うぅ〜ん」
のびを一つ。朝の冷たい空気が胸一杯にしみわたり、足の裏に触れる床の冷たさが少しこそばゆい。
「よしっ! 今日も元気の充電かんりょう! ……なんちゃって。拓也さんみたいかな……てへへ」
今日もまた、一日が始まる。いつもと変わらない一日が。
……ううん。違う。今日は違う。
今日からは、違う。
今までと一緒じゃない、新しい一日が始まるんだ。
なのに。元気を充電したはずなのに。
「さ。今日もがんばるふぁ〜〜〜っ……」
大あくびを一つ。眠い。とっても眠たい。
だって、と思う。昨日の夜は色んなことを考えていたから。
明日から始まる新しい生活のこと。私の大好きな人とすごす日々のこと。東京での生活。これから通う大学。いろんなことが頭の中に浮かんでは消え、そのたびにベットの中でうんうんと頭をひねった。
東京には何度も行った事はあるけれど生活するとなると大変そうだな、とか。拓也さんって意外とずぼらなところがあるからわたしがしっかりしなきゃ、とか。大学ではお友達ができるかな、とか。
色々と考えたけれど、でも、答えは出なかった。当たり前だ、って思う。だって私はぼうけんに行くんだから。わからないだらけで当たり前だ、って。不安だらけで当たり前だ、って。
でも、一つだけ、不安じゃない事。
拓也さんが一緒にいてくれる。それだけで、何とかなるような気がする。
「だからだいじょおお……ふわぁ」
そう考えて安心できたら、何だか眠たくなってきた。
……もう少しだけ。
眠い目をこすりながら、ふらふらした足どりでベットに向かう。もぞもぞと布団にもぐりこむ。さっきまでの自分の熱が少しだけ温かい。その温かさが、まるであの人のような気がして。
「たく……やさん」
再びの眠りに付く直前、何故か、おばあちゃんの声が聞こえたような。そんな気がした。


ゆめをみた。
そこはゆのはな町。いつも見慣れた町並み。
私が良く知った町並みの中を、私が良く知った人々が歩いている。由真。穂波ちゃん。椿さん。渋蔵さん。尚樹さん。皆、楽しそう。皆で並んで、楽しそうに道を歩いている。
楽しそうに歩く皆の脚が、ふいに止まる。
しばらく時間が止まったように誰も動かず、気が付けば雪が降っている。誰かが口を開く。
「あれ、……は?」
場面が変わる。
そこは、華の湯だ。私の家。私とおばあちゃんの家。私はここで寝て、ここで起きて、ご飯を食べて、ここで大きくなった。
華の湯の正面から中に入る。中に入ると、常連のお客さんで賑わっている脱衣所があって、扉の向こうには風呂場がある。中では沢山の人がお風呂を楽しんでいる。誰かが歌を歌っている。カコーン、と桶の音が響く。
いつもの風景だ、と思った。いつもの華の湯だ、って。 そこに私がいて、拓也さんがいて、そして、
気付く。いない。おばあちゃんがいない。
番台を覗いてもそこにはいない。気が付けば周りには誰もいなくなっている。脱衣所にも、風呂場にも、誰もいない。なんで、さっきまでいつも通りだったのに。
そう思った瞬間、また場面が変わる。
帰ってくる拓也さんをお迎えした玄関にも、いつもご飯を食べた居間にも、拓也さんが住んでいた部屋にも。
私の部屋にも、おばあちゃんの部屋にも。
いない。どこにもいない。何で? 何でいないの? おばあちゃんはどこ?
まるで古ぼけたフィルム映画のように場面が変わっていく。
高尾酒店。こかげ。公民館。神社。祠。
変化が加速する。自分がどこにいるのかも分からなくなってくる。ぐるぐると。自分がかき回されるような。気持ち悪い。でも、それ以上に。
寂しかった。不安だった。だって、おばあちゃんは……。
「わかば〜」
声が聞こえた。
おばあちゃんだ。おばあちゃんの声だ。
そう思ったら、ぐるぐるが止まった。そして、世界が光に満たされる。
その光のまぶしさに思わず目を閉じる。おそるおそる目を開ける。視界が開ける。
眼前に広がるのは、ゆのはな町だ。私の町。おばあちゃんの町。
そこは、高台だった。私が拓也さんに告白した、おばあちゃんがおじいちゃんに告白した、場所。おばあちゃんは、そこにいた。
「おばあちゃん」
声をかける。でも、反応はない。こちらに気付いていないのか、ただ、町の方を見ている。
「ねぇ、おばあちゃ……」
近づいて声をかけようとして、気付く。近づけない。足が動かない。足が動こうとしない。
「……」
おばあちゃんが何かを言っているのが聞こえる。でも、声が小さくて聞き取れない。声をかけるのをやめて、じっと聞き耳をたてる。
「…か…」
だんだんはっきりしてくる。
「…かば」
そして最後には、おばあちゃんは突然こっちを振り向いて、とても寂しそうな顔をして、言った。
 
「わかば」
 

誰かに身体を揺らされて目が覚めた。ううん。それだけじゃない。声も聞こえてくる。
「わかば。そろそろ起きなさいよ〜」
あれ、おばあちゃん? あ、私寝てたんだ……でも、ごめんね。すっごく眠たいから、もう少しだけ……。
「そろそろ起きないとダメだよ〜。今日は出発の日でしょ〜?」
しゅっぱつのひ?
「いつまでも寝てたら、どんどん遅くなってしまうよ〜」
そう。出発の日。私の……そうだ。今日は出発の日。私が東京へ出発する日だ!
「わひゃっ!」
勢いよく起き上がる。辺りを見渡す。お日様はとっくに昇りきっているみたい。
「お、おばあちゃん! 今何時!?」
「大丈夫だよ〜。まだ7時だからね〜」
そう言うとおばあちゃんは目覚まし時計の盤面を見せてくれる。確かに7時だ。
「ずいぶん早くに目覚まし時計が鳴ってたのに、起きてこなかったからねぇ。部屋に行ってみたらまだ寝てたみたいだから、そのままにしておいたん だよ〜」
そう言えば。
確かに一度目を覚ましていたような気がする。でも、あまりに眠たかったから、もう一度ベッドに入って……。
ゆめをみた。
「昨日はずいぶん遅くまで起きてたみたいだねぇ。それにさっきもあんなにうなされて……何かイヤな夢でも見ていたのかい?」
思い出した。私は夢を見ていたのだ。そして、夢の中で、おばあちゃんは、
「あ……れ……」
何故か涙がこぼれた。
「あれれ? 私……どーしちゃったのかな」
止まらない。涙が止まらない。
「おやおや。どうしたんだい、わかば」
「わからないの……でも、何だかとっても悲しくなって……涙が……」
ただの涙は次第に嗚咽を伴い、もうどうしようもなくなってしまった。
「おやおや」
そんな私を、だけど、おばあちゃんは何も言わずに抱きしめてくれた。
「おばあちゃん……おばあちゃん」
「はいはい。私はここにいますよ」
言いたいことがあるの……。私、おばあちゃんに言いたいことがあるの。
思いは言葉にならず、ただ、嗚咽が漏れるだけ。
「おばぁ……ちゃぁん」
「はいはい」
おばあちゃん。私の、私だけの、おばあちゃん。

 それからしばらく。
私が泣き止むまで、おばあちゃんはそのままでいてくれた。おばあちゃんが頭を撫でてくれるだけで、おばあちゃんがそこにいてくれるだけで、何だか安心できるような気がした。
泣き止んでからも、だけど、おばあちゃんは何も聞いてはこなかった。ただいつもの笑顔で、いつも通りに。
「顔でも洗って着替えたきなさい。もうすぐご飯ですよ〜」というおばあちゃんの言葉通り、洗面所で顔を洗って歯を磨いて、部屋で服を着替えた。
着替え終わってから自分の部屋を何となく見渡す。
お昼になる前のバスに乗りたいから、朝ごはんを食べたらそのまま出発になる。多分、ここには戻ってこないだろう。こうやって朝にここで着替えるのも、もう中々できないんだよね。そう思うと、何だかしんみりしてくる。布団を軽くかたして、昨日のうちに準備しておいた荷物を持って、
「お世話になりました」
一礼し、部屋を出る。扉を閉める。
扉が少し音を立てて閉まり、肩にかけた鞄がカチャっと音を立てる。
「……よしっ。がんばらないとっ!」
宣言して、少しさっぱりした気持ちで居間に向かう。
居間に着くと、既に朝ごはんの用意ができていた。
おばあちゃんが私のお茶碗にご飯をよそってくれる。私の湯飲みにお茶を淹れてくれる。私はいつもの場所に座り、私のお箸は目の前で、おばあちゃんの前にもお茶碗と湯飲みとお箸がある。
「いただきます」
「はい。たんとおあがり〜」
一口食べて、やっぱりおばちゃんのご飯はおいしいな、って思った。これなら、10杯だって食べられるかな……なんちゃって。
「今日のご飯、ずっごくおいしいね!」
「そうかい? そういってもらえると、うれしいね〜」
どこかの誰かじゃないけど、ものすごい勢いでご飯を食べていく。本当に10杯くらいなら食べられちゃうかもしれない。……どこかの誰かって誰だろう。
「ごちそうさまでした!」
「はい。おそまつさま」
結局のところ1杯しか食べられなかったのだが、いつのよりもおいしく、いつもよりも満腹になったような気がする。
「ゆっくりしてなさいな〜。新しいお茶を入れてくるからね」
食後の片付けくらい私がするから、と言ったけど、
「今日くらいはのんびりしなさいな」
というおばあちゃんの一言に甘えさせてもらう事にした。食後のちょっと気だるい感じがちょっと心地良い。テキパキと片付けられていくテーブルの上を眺めながら、のんびりと食後を過ごす。
「はい、お茶だよ」
「ありがとー」
湯飲みからうっすらと湯気を立てるお茶を一口。あったかい。おばあちゃんのお茶だ、と思った。いつも飲んできたお茶だ、って。
ふいに、外を見る。窓から見える外はお日様に照らされて良い天気。青空はどこまでも続いているようで。
「いい天気だね〜」
振り返ると、片づけを終えたのかおばあちゃんがそこにいた。
「ほんとうに今日はいい旅立ち日和だね〜」
「え? ……あ、うん。そうだね」
「忘れ物はしないようにね〜。しばらくは戻ってこられないんだからね〜」
「……うん」
それっきりの沈黙。私は何もいえなくなって、おばあちゃんは何も言わずに私の前に座った。お茶を一口。
沈黙の中、時計の音がやけに大きく聞こえる。のしかかってきた沈黙があまりに重く、湯飲みを持つ手が震える。お茶に波紋が立つ。
「えっと……ね。その……」
何かを言おうとして、だが言葉が続かない。舌が上手く回らない。
「あ、あのね。もし、だよ。もし、おばちゃんが、私にひゃうん!」
最後まで言わせてもらえなかった。
おばあちゃんだ。さっきまで間の前に座っていたはずのおばあちゃんが、後ろにいて、私の身体を抱えるように抱きしめてくれている。
「私に……なんだい?」
「……何でもない」
「……残ってほしい、って言ったら残ってあげるよ……そう言いたかったのかい?」
「!?」
びっくしりた。心臓が止まるかと思った。だって。
「馬鹿だねぇ。出発の朝にそんなこと考えていたのかい」
「だって……おばあちゃんは、私がいなくなったら独りで、ゆめのなかでも……」
私を呼んでいて。とっても悲しそうで。
「確かに、わかばがいなくなったら寂しくなるねぇ」
「…………」
「でも、大丈夫だよ。だって、私はひとりじゃないですからね〜」
「え?」
あわてて振り返る。おばあちゃんがそこにいて、こっちを見ている。
「私の心にはいつでもあの人がいますからね〜。それに、この街のみんなも」
瞬間、大きな音が聞こえてきた。
遠くから聞こえる、何かが猛スピードで接近してくるような。そんな。
「ほら。噂をすれば、というやつですよ〜」
音は明らかにこちらに近づいてくる。減速して止まれなかったのか何かにぶつかる音がする。玄関が開く音がする。廊下を走る音。そして、ふすまが勢い良く開け放たれて、
「わかばぁぁぁぁぁ〜!!!」
何かが飛び掛ってきた。
「わひゃあっ!」
気が付けば、その何かに押し倒されていた。顔に当たるのは二つのやわらかい感触。
「わかばわかばわかば〜。ああ、とうとうこの日が来てしまったのね〜」
それが身体を強くこすり付けるたび、二つの塊が顔に当たる。ぐいぐいと押し付けられる。
「ちょっと……ゆまのおっぱいで息ができないよ〜」
「はっ、わかばが私のおっぱいを……あ〜ん。もっと触ってもいいのよ〜」
「ちょ……ゆまのが大きいのは分かったから、もうそろそろ、」
「ほら。そろそろやめにしきな」
ひょい、と。
目の前でゆまの身体が持ち上げられていく。襟首を掴まれて、まるで野生動物のようなゆま。その後ろにいるのは。
「椿さん!」
「よう。しっかし、こいつは相変わらずだねぇ。諦めたんじゃなかったのか?」
「諦めたわよ〜。しっかり諦めたわよ〜……でもでも……わかばぁぁぁぁ!」
「あー。はいはい。ゆまはしょうがないなぁ」
自然と笑顔になる。
「こんにちはなのです、わかばお姉ちゃん」
小さな声に振り向けば。
「穂波ちゃん!」
「どうもなのです。今日は、わかばお姉ちゃんの出発の日なので、皆でお見送りに来たのです」
言うと穂波ちゃんはクスっ、と笑って見せた。
「最後まで相変わらずなのです。私たち」
「そうそう、見送りに来たんだよ。今日出発だろ? だから、餞別とか色々な」
穂波ちゃんの後ろから言うのは椿さんだ。
「ほら。これ。あの男に持ってきな。猫だまし」
言う彼女の足元には、3本の瓶が。
「……こんなに?」
「おうよ」
苦笑いするしかない。こんなに持っていけるだろうか。
「次帰ってきた時はわかばも二十歳だろ? これで大手を振って酒をのめるから……それまでに練習してきな」
「わかばにお酒? あぁ。わかばに無理やりお酒を飲ませて、たっぷり酔わせたあとに……あぁ、わかば。もう我慢の限界だよ。私もも  う限界です〜。わかば〜。拓也さん〜……きぃぃぃ! 何て羨ましい!」
「ここで本音かよ」
「何よ、今更隠したってしょうがないじゃない!」
「ってか、今まで隠してきたつもりなのか?」
「うるさいわね!」
とかなんとかで。結局いつも通りの雰囲気がそこにあった。そして、それが、嬉しかった。
とっても、嬉しかった。
「……あ……あのね」
私の小さなひと言。それで、皆が静かになる。こっちを見ている。
「お見送りありがとうございます」
礼をする。
「私、今日、旅立ちます! ゆのはな町を……旅立ちます!」
顔を上げる。ちょっと目がうるうるしてるけど、気にしない。無理にでも無視して、笑って言うのだ。
「……いってらっしゃい」
「いってらっしゃいなのです」
「わかばぁ〜。元気でね」
皆のいってらっしゃい。大丈夫。これだけで私は、きっと、何とかやっていける。
「わかばお姉ちゃんなら大丈夫なのです。でも、時々戻ってきてくれると、とっても嬉しいのです」
「え?」
思わず言い返す。
「夏休みとかGWとか。時間ができれば戻ってきてくださいなのです。あの方と、お二人で」
また穂波ちゃんが笑う。
「いつでもお待ちしております。こかげで」
「うちにもきなよ! いい酒を用意してまってるぜ」
「わかばぁ! 私も待ってるわよ〜」
あぁ、そうなんだな、って思った。お別れだけど、すぐに会えるんだ、って。
いつでも、会いに来れるんだ、って。
おばあちゃんのほうを見る。何も言わないおばあちゃんは笑顔でそこにいる。笑っている。
「私も待ってるよ〜。華の湯で、ね〜」
お見送りも貰った。帰ってこられる場所も貰った。だから。
「じゃ、私そろそろ行くね」
荷物を背負う。玄関へと向かう。この日のために買った新しい靴を履く。
振り返る。皆がいる。私の大好きな皆が。
「それじゃ、いってきます!」
「いってらっしゃい!」
扉を開ける。外には世界が広がっている。どこまでも、無限に広がる世界が。
さぁ、まずは一歩。
新しい冒険の、まずは、第一歩。
  

あるところに、ひとりのおんなのこがいました。
おんなのこは、じぶんのうまれたまちで、かわらないまいにちをすごしていました。
そんなおんなのこのこころには、いつも、ゆきがふっていました。まるで、しろいはながまいちるように。まるで、ねがいごとがひとつひとつしずかにつもっていくように。
でも、あるとき、そのゆきをはらしてくれるひとがあらわれたのです。
おんなのこはそのおとこのひとことがすきになりました。
おとこのひともおんなのこのことをすきになってくれました。
ふたりはいっしょにいたいとおもいました。
でも、おとこのひとはまちのそとからやってきたのです。いつかはかえらないといけません。
おんなのこはまよいました。
だいすきなまちをはなれること。だいすきなおばあちゃんからはなれること。
いっぱいいっぱいまよいました。そして、おんなのこはきめました。おことのひとについていくことを。
そのために、かのじょはじぶんのちからでまちをでることにきめました。
そして、きょうはたびだちのひ。
なれないバスにのって、おとこのひとのいるまちまで。
なれないでんしゃにのって、おとこのひとのいえまで。
みなれないまちをあるくあしどりはかるく、あたらしいくつがきゅっとなります。
ここで。このまちで。このいえで。おんなのこのぼうけんははじまります。
とりあえず、さいしょのぼうけん。
めのまえにあるちょっとふるいあぱーとのドア。
そのドアを、ちょっとつよめにノックする。
そして、ちょっとおおきなこえで、げんきよく、
あのひとのなまえを。
 
 「拓也さ〜ん」
 
おんなのこのぼうけんは、いま、はじまったのです!
 
 to be cotinued ever…

 


後書き


というわけで「わかばのぼうけん」なのでした。
この作品を書くときに一番初めに思ったことは「わかばちゃんを泣かせたいな」という事でした。ぽわんとしているようで、芯はとっても強い。そんな彼女もきっと寂しいと泣くだろうな、と思って書きました。
読んだ人の心の中に、わかばちゃんの思いがちょっとでも思い浮かぶようでしたら、作者としてそれ以上の喜びはありません。
最後にコレを書きながら、
「誰が一番強いのだろう」
などと考えたりして。
 さて。次があるとすれば、この後のお話です。  町は再び雪に包まれて、それでも若葉が芽生えの時を待っています。では。


 


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